写真:ミッドナイト競輪という番組セットの様子。狭いスタジオのテーブルの上に予想結果のフリップボードが3枚並べられている。その様子を前方4方向からデジタルカメラにて撮影している。
写真:ミッドナイト競輪という番組セットの様子。狭いスタジオのテーブルの上に予想結果のフリップボードが3枚並べられている。その様子を前方4方向からデジタルカメラにて撮影している。

株式会社AbemaTV様

スタジオ撮影・配信用カメラ
インターネットテレビ局「AbemaTV」の生放送番組用スタジオに、NDIシステムへの拡張性を有したカメラレコーダーAG-CX350を導入。

課題

限られた広さで撮影スタッフの入れ替わりも多いスタジオなので、奥行のある広角の映像を取り回しの良い使いやすいカメラで撮影したい。
かつ、映像リソースのシェアや拠点間伝送などIPベースの番組制作に対応する準備を行いたい。

解決策

広画角一体型レンズ搭載のカメラレコーダー AG-CX350をスタジオカメラとして導入することで、限られたスペースを更に有効に活用。また、NDI|HX対応の拡張性の高い制作環境を整備。

誰でも使いやすい優れたインターフェイスを備え、かつNDIを用いた次世代の番組制作の布石になるカメラです。

株式会社AbemaTV 近藤 信輝様

背景

生放送スタジオの運用性向上を目指し設備を更新

株式会社AbemaTV様はオリジナルのコンテンツをはじめとするさまざまな番組を配信するインターネットテレビ局「AbemaTV」を展開されています。2016年に開設したクリエイティブ拠点Chateau Amebaは8つのスタジオと14室の配信設備を備えており、その内の「9st」では2019年4月に放送を開始した競輪中継番組『WinTicket ミッドナイト競輪』の撮影・収録が行われています。以前は他社製のカメラを使用されていましたが、カメラ本体の使いやすさに加え、NDI|HX対応や4K収録などの将来的な拡張性を評価いただき、リプレイスにともないメモリーカード・カメラレコーダーAG-CX350が4台採用されました。


導入理由

使いやすいインターフェイスに加えNDI|HX、4K収録対応などの拡張性を評価

『WinTicket ミッドナイト競輪』はほぼ毎日生放送が行われており、放送毎にカメラマンが入れ替わり2名体制で撮影をします。そのため、リプレイスご検討時には誰でも使いやすいカメラであることが重視されました。また、9stは小型のスタジオであるため、取り回しの良いコンパクトなボディや、限られた設置スペースでもワイドに写すことができる広角レンズである点も評価いただきました。「AbemaTV」では今後、NDIを活用した番組制作を視野に入れられています。NDI|HXへの対応など、AG-CX350の拡張性の高さがこれからの運用展開にマッチすることもカメラ選定の大きなポイントになりました。


導入後の効果

限られた広さのスタジオ内を広く捉える広角の一体型レンズ

『WinTicket ミッドナイト競輪』の撮影では4台のAG-CX350のうち2台を定点カメラとして使用。スタジオ正面に横並びで座るゲストを正面から捉える場面や、奥に座るアナウンサーも含めた全員を斜めから捉える場面などで、ワイド端24.5mmの一体型レンズによる広角撮影が活かされています。また、有機ELを使用したビューファインダーの視認性の高さや、小型の筐体設計による扱いやすさも評価いただきました。「9stはカメラの設置スペースに限りがあるので、ワイドな映像を撮ることが難しいです。AG-CX350は一体型レンズのワイド端が24.5mmあるため、カメラ単体でも想像以上に広角な撮影が可能であることに驚きました。以前は必要に応じてワイドコンバージョンレンズを追加していましたが、その必要がなくなったためよりスムーズに収録が行えます。現在は4台全てを9stに設置していますが、非常に軽くて持ちやすいカメラなので、ぜひロケの撮影でも使用してみたいです」とスタジオ運営センターの岡平伸一様は語ります。

ユーザビリティを追求したUIがスムーズなスタジオ運営を実現

カメラの入れ替えは番組放送開始後の2019年11月に実施されました。スタジオ運営センターの近藤信輝様は「導入を検討する際、9stでカメラを運用するスタッフが実際に触って使用感を確認しました。AG-CX350のインターフェイスはとても使いやすいため、スタッフの入れ替わりが多い9stでの運用に適していると思います。実際、入れ替え当日の放送からスムーズに運用を開始することができました」と話されます。また、Ver2.01のバージョンアップで追加された、青色LEDの色飛びを抑制する機能や、ズームやフォーカスのワイヤレスコントロールを可能にする専用アプリケーション「CX ROP」など、現場での使いやすさを追求した各機能についても今後の運用の中で活用していきたいと展望を語ります。

NDI|HX対応による高い拡張性

「AbemaTV」では今後、映像リソースのシェアや拠点間伝送などIPベースの番組制作へ取り組むことを視野に入れられています。その準備の一環として、NDI|HXに対応したAG-CX350が導入されました。現在は既設のシステム構成に合わせ、NDI対応スイッチャーにSDIで接続しています。現時点では9stで使用する機器の数に対してスイッチャーのSDI入力が不足しているため、小型スイッチャーを追加して対応していますが、AG-CX350をNDIで運用することによる多段インプットの解消も期待されています。

写真:メモリーカード・カメラレコーダーAG-CX350を横から見た様子。
9st内に設置されたメモリーカード・カメラレコーダーAG-CX350。ドリーに取り付けて使用している。
写真:2台のカメラの内、1台をセッティングするカメラマンの様子。
本番中は4台のカメラを2人のカメラマンで操作。
写真:スタジオ内を出演者側から見た様子。狭いスペースの前方に3台、斜め横に1台のメモリーカード・カメラレコーダーAG-CX350が設置されている。
9stの内観。奥行が限られるスタジオ内を広く捉える際に、ワイド端24.5mmの広角レンズが活躍。

システム構成

システム構成図:9スタにある4台のメモリーカード・カメラレコーダーAG-CX350をスタジオ・サブにあるスイッチャーへSDIにて接続。9スタにある4台のスマートフォンをスタジオ・サブにあるコンバーターへHDMIにて接続。スタジオ・サブにあるコンバーターをコンパクトライブスイッチャースイッチャーAW-HS50へHDMI接続しそこからスイッチャーへHDMI接続。スイッチャーからエンコーダーへ接続しネットワーク配信と外部収録機器へ接続される。

導入システム

  • メモリーカード・カメラレコーダー AG-CX350 × 4台

今後の展望

番組のクオリティを向上させるとともに、新しい取り組みに挑戦していきたい

「AbemaTV」は当初、インターネット動画配信のアップグレードという捉え方をされるケースも多くありましたが、現在はテレビのリモコンに専用ボタンが搭載されるなど、普通のテレビと同じようなインフラの一つとして認知されつつあります。「放送局のダウンサイジング」として信頼度やクオリティを保ちつつ、新しいことにどんどんチャレンジしていくことがこれからの「AbemaTV」の使命だと感じています。AG-CX350はNDI|HXへの対応や、4K収録が可能であるなどさまざまな点で拡張性に富んだカメラです。このカメラを布石として、IPを用いた番組制作や4K対応への取り組みを推進していきたいです。

写真:近藤信輝様
スタジオ運営センター
近藤 信輝様
写真:岡平伸一様
スタジオ運営センター
岡平 伸一様

お客様紹介

国内最大級のインターネットテレビ局として数々の番組を配信

「AbemaTV」は株式会社サイバーエージェント様と株式会社テレビ朝日様が共同で開設したインターネットテレビ局です。オリジナルの生放送コンテンツをはじめ、スマートフォンやPCから無料で視聴できる多彩な番組を約20チャンネルにわたって配信しており、Chateau Ameba内のスタジオでは連日多くの生放送や収録が行われています。

写真:Chateau Amebaの建物外観
株式会社サイバーエージェント様のクリエイティブ拠点「Chateau Ameba」外観。

関連機器・サービス

製品写真:メモリーカード・カメラレコーダー AG-CX350

メモリーカード・カメラレコーダー AG-CX350

4K/HDR/10bit収録に応える1.0型ハイエンド・ハンドヘルド。IP(NDI|HX)接続、RTMPストリーミングに対応。