日本パレットレンタル株式会社様

Tag Reading Fork(タグ リーディング フォーク)システム運用端末など
1日の入出庫が30万枚にも及ぶレンタルパレットの個体管理を実現。パレットのRFタグ情報をフォークリフト搭載のタフパッドで識別するシステムを開発。

導入インタビュー

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①「導入の背景・Tag Reading Forkとは」
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②「導入のメリット・今後の展望」

RFタグ情報をフォークリフトで一括読み取り。
個体管理時代を拓く画期的システムをTOUGHPADで運用。

物流活動の最適化を目指し、JIS認定標準パレットのレンタルを業界に先駆けて行ってきた日本パレットレンタル株式会社様(以下、JPR様)。同事業のシェア・売上・パレットの保有枚数の全てにおいて業界No.1を獲得し、また物流容器の管理ノウハウを活かした情報サービス事業や運用管理支援サービス事業も展開されています。近年、RFタグ付きパレットを活用したIoTによる物流効率化を推進するなか、フォークリフトを用いてパレットに貼付したRFタグを読み取る画期的なシステム「Tag Reading Fork(タグ リーディング フォーク)※」を開発。システムの運用端末として頑丈7型タブレット TOUGHPAD FZ-M1を活用され、またRFタグの品質検査システム運用に、頑丈10.1型タブレット TOUGHPAD FZ-G1もご採用いただきました。

※「Tag Reading Fork」は、日本パレットレンタル株式会社の登録商標です。

RFID企画・統括・ 推進機能プロジェクト
PJリーダー
佐藤 雅一 様
RFID企画・統括・ 推進機能プロジェクト
チーフスペシャリスト
内田 雄治 様
FZ-M1を、フォークリフトの運転席の右上に設置。運転手は手袋のまま操作が可能。「冬の北海道など、手袋が必須の現場も多いので手袋操作モードは魅力でした」と佐藤様。

導入の背景

1日の入出庫が約30万枚にものぼるレンタルパレットの個体管理を実現。
フォークリフトを用いた新システム運用をかなえるのはTOUGHPADのみ。

早期からIoTへの対応に取り組まれていたJPR様では、現在保有するプラスチック製パレット約600万枚中の9割以上にRFタグが貼付されています。RFタグ付きのメリットを最大化し、RFタグ付きパレットを情報管理のキーデバイスとするために発足したRFID企画・統括・推進機能プロジェクトでは、まず直営デポでの製品管理オペレーションを精緻化するため、RFタグ付きパレットの個体情報を「いかに正確に手間なく読み取るか」に取り組まれてきました。構想されていたのは、パレットの返却時と貸出時にRFタグを読み取ってデータベースへ個体情報を蓄積、パレットの状況をリアルタイムに可視化することです。しかし、デポごとに状況が異なる中、「業務を大きく妨げない」「全拠点共通の運用が可能」という条件をクリアしながら、毎日膨大な量に上る出入を確実に読み取る方法を確立するのが困難だったと佐藤様は語ります。
「デポの構造も製品ストックのレイアウトも違うのでオペレーションも異なり、また同じデポでも時期によって状況が変わってきます。以前にゲート式リーダーを設置して必ずそこを通過する方法も試しましたが、動線に制約が発生するため運用効率が落ちるデポもあり、全拠点へ導入するには適していませんでした」。
現地視察も重ね代替案を模索した結果、JPR様がたどり着いたのが、全拠点で必ず使うフォークリフトをリーダーとして活用するというアイデアです。
JPR様は、「フォークリフトのツメに載せたRFタグ付きパレットの情報を読み取る」という業界でも新しいシステム「Tag Reading Fork」を開発するとともに、フォークリフトへの車載が可能なタブレット端末の選定に取り掛かられました。選定時は、すぐにTOUGHPADに決めたと語る内田様。
「画面サイズは運転席の視界を邪魔せず、かつ視認性を保てる7インチと見込んでいました。そして現場環境に耐える防滴・防塵性があり、さらにシステム開発のためOSにWindowsを備えている・・・という条件を満たしている端末はTOUGHPAD以外に無かったのです」。
また手袋を着用して業務にあたるシーンを考慮し、手袋操作モードがある点や、長時間の使用に対応できる大容量バッテリーがあること、またバッテリー交換時にOSがダウンしないホットスワップ機能も採用の決め手になったといいます。

RFタグ読み取りアルゴリズム*の概念図
Tag Reading Fork システム構成図

導入のポイント

  • 屋外の使用にも耐える防滴・防塵性
  • 手袋を外さず操作できる手袋操作モード
  • 長時間の連続使用が可能な大容量バッテリー

導入のメリット

荷揚げ、荷下ろしの動作中にRFIDデータを取得。
どのデポでもパレットの個体管理が容易に完了。

  1. 既存のフォークリフトに後付けでき、庫内施設を変更せずに導入可能
  2. フォークリフトのツメ上にあるRFタグを確実に判読
  3. パレット個別の各種状況やトレースの可視化、各種システム連携などの応用も可能

JPR様では、FZ-M1を用いたTag Reading Forkを、パレットを管理する自社デポへ導入。湾岸市川デポなど一部で先行導入し、以前に試用されていたゲート式リーダーやハンディターミナルと比べて様々なメリットを確認され、全国15拠点での運用を決定されました。
ハンディターミナルは作業を一旦止めた上で逐一手動で読み取り作業を行うため、膨大な手間がかかるのは言うまでもなく、またゲート式リーダーの場合は動線に制約ができることや、ゲートを設置するために貴重なスペースを使うことにもなります。Tag Reading Forkなら新たに大きな設備を設置することなく、読み取りを「返却時のトラックからの荷下ろし」と「貸出時のトラックへの荷揚げ」の動作と同時に完了。オペレーションに過度の負荷をかけることなく、レンタルパレットに貼付されたRFタグの読み取りを行うことが可能です。
具体的なデータ読み取りの過程は、まずトラックの運転手が持ってきた作業伝票を、フォークリフト操縦者がQRコードリーダーで読み込み。FZ-M1に伝票の情報が送信されます。その状態でフォークを動かし、ツメをパレットに差し込むとツメの間に設置した光電センサーがONとなり、同時にツメの支柱部分に設置したアンテナがパレットのRFタグ情報をキャッチしてFZ-M1へ情報を送信。FZ-M1上でタグ情報を解析し、ツメ上のパレットのIDのみを判別して情報を送信します。読み取りにかかる時間は、フォークのツメにパレットを載せて下ろすまでのわずか14~15秒とスムーズ。
一見、とても簡単でシンプルな方式ですが、「業務を妨げない簡易さ」を実現できたのも、パレット管理の現場を熟知したJPR様ならではの発想があってこそなのです。実はフォークリフトにアンテナを設置した場合、通常は周囲にある関係のないRFタグの情報まで読んでしまうため、読み取り範囲を「ツメの上のパレットだけ」に絞る工夫が必要となります。しかし隙間なく積まれたパレットの中から、フォークリフトに載せる1~34枚という狭い範囲を特定するのは容易ではありません。

JPR様ではまず電波をツメの手前から先端に向けて飛ばし、さらに垂直方向へ扇状に広がるよう設定し、データを拾う範囲を狭めました。それでも隣り合ったRFタグ付きパレットの情報をどうしても拾ってしまうという課題を、JPR様は「アルゴリズム」によって解決を図られました。
「読み取り対象を限定するには物理的に電波を弱める方法もありますが、それではツメの奥側に積んだパレットまで電波が届かなくなり、読みたい情報まで読めなくなります。そこでアルゴリズムで情報をふるいにかける方法を考えました。
着目したのはフォークリフトの動作。フォークリフトが発車すれば、関係のないパレットは後ろへ置いていかれます。パレットをツメに載せた瞬間だけRFタグを読み取るのではなく、移動中も継続して読み取ることで、積載していないパレットの情報をふるい落としていくことができるのでは、と考えたのです」と内田様。
この画期的なアイデアを元に開発したTag Reading Forkは、見事にツメの上に載せたRFタグ付きパレットだけを認識。実地試験を経て実用導入され、特許出願に至りました。

そんな画期的なシステムの力をハード面で支えているのが、FZ-M1の安定性です。
「繁忙期になるとデポにずっとパレットが出入りする状態で、10時間以上フォークリフトを稼働させることとなります。操縦者はシフトで交代しますが、機械を止めることはできません。そうした状況の中で、FZ-M1なら外付けのバッテリー電源で稼働した後、本体のラージバッテリーに切り替えて15~16時間は連続して使えるので、業務を中断することなく、Tag Reading Forkを稼働することができています」と佐藤様。
また操作性について、Tag Reading Forkを導入した湾岸市川デポの渡辺所長は、「操作については一度レクチャーを受けただけで全員が問題なく実行できましたし、感覚としてはパソコンの電源を立ち上げるのと変わらないくらい簡単ですね。物流業界全体でみても良い取り組みだと認識しています」と語られました。

この取り組みを通してJPR様では、これまで不明だったパレット1枚1枚のデポでの滞留日数や、返却までの日数、貸し出しのルートなどの情報を取得。データ解析により、1パレットごとの稼働効率の最大化を図ることや、品質管理をよりシステマティックに行うこと、またお客様へのよりきめ細やかな「最適プラン」の提案を構想されています。

同時に、そのようなRFID技術を利用したサービスを行う上で重要となる「RFタグの品質検査」に、FZ-G1を活用。「タグの生き死に」を確認するシステムも新たに開発し、導入されました。その仕組みは、返却パレットの選別のラインに設置されたセンサーでRFタグの情報を読み取りFZ-G1に送信。FZ-G1の画面上に、タグが正常に読み取れるかどうかの判定が表示されます。読み取り不良はおよそ10万回の検査で1回あるかどうかの割合だといいますが、そのわずかの不良も見逃さないシステムを構築されています。
「このシステムで、RFタグの不良や重複貼付などを防ぐことが可能です。自社での管理だけでなく、お客様の物流拠点でも活用していただく際に、安心して使える製品として、高い品質を維持できると考えています」と佐藤様。

リーダーで伝票のQRコードを読み取ると、FZ-M1に伝票の情報が転送される。今後はFZ-M1にオプションでQRコードリーダーを内蔵し、フォークリフト内の機材削減を予定。
フォークリフトのツメにRFタグ付きパレットを載せると、センサーがONとなり、RFタグ情報の読み取りが開始。14~15秒で、RFタグ付きパレットの個体情報がFZ-M1経由でサーバーへ送信される。
FZ-G1はRFタグの品質検査に活用。洗浄ラインに設置されたセンサーでRFタグを読み取り、タグが電波を正常に発しているか否かをFZ-G1上で判定する。

TOUGHPADを活用したこれからの展望

より高品質なRFタグ付きパレットと、お客様向け物流ソリューションを提供することで
ロジスティクスのIoTの発展にも貢献。

JPR様では今後、FZ-M1にオプションでQRコードリーダーを内蔵することを予定されており、フォークリフトに載せる機材の削減を考えられています。また、ソフト面では、フォークリフトの操作時間が短い「仮置き」など現場での細かい運用にも対応するため、Tag Reading Forkによる読み取り時間の短縮や、データの活用法などを模索されています。そうした取り組みを通じ、自社デポのオペレーションを精緻化していくことはもちろん、将来的にはパレット管理のノウハウを活かしてお客様向けの物流ソリューションを開発し、提供することを目指されています。今後の展開について、佐藤様はこのように語ります。
「Tag Reading Forkと、お客様側の各種システムや当社が開発中の商品そのものの個体管理システム等との連携など、様々な応用が可能です。商品の個体管理化への流れが加速する中で、ロジスティクスのIoTの発展にも貢献できるのではと考えています」。


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