写真:物語のクライマックス、森へ帰る動物たちの映像が実際の自然と溶け込み、幻想的な雰囲気を生み出している。
写真:物語のクライマックス、森へ帰る動物たちの映像が実際の自然と溶け込み、幻想的な雰囲気を生み出している。

阿寒湖の森ナイトウォーク
KAMUY LUMINA カムイルミナ

プロジェクションマッピング
阿寒湖の大自然とアイヌ文化の魅力が最新のデジタル技術と融合した体験型コンテンツ。

課題

阿寒湖が有する豊かな自然と地域固有のアイヌ文化を多くの観光客に発信するための夜間観光コンテンツを開発し、インバウンドの観光客増加を目指す。

解決策

国立公園の森を舞台に体験型コンテンツ『ナイトウォーク』を実施。

体験されたお客様の反応は非常に良く、阿寒湖の自然と文化、最新のテクノロジーが融合した魅力あるコンテンツが実現できたと感じています。

阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社 
ルミナ事業部長 稲垣 利展様

背景

阿寒湖温泉地区の魅力をより広く発信する

『阿寒湖の森ナイトウォーク KAMUY LUMINA(カムイルミナ)』を運営する阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社様は、阿寒湖温泉地区が有する豊かな自然と地域固有のアイヌ文化を活かした、『自然×異文化×アクティビティ』を体感するアドベンチャーツーリズムを推進されています。阿寒湖温泉地区は国の観光施策の重要地域にも選定されており、インバウンドの観光客の増加を目標に、夜間に楽しめる観光コンテンツの開発を目指され、世界最高峰のマルチメディア・エンターテインメント・カンパニーMoment Factory(モーメントファクトリー)様との共同制作を計画されました。


導入した理由

最先端のデジタル表現と地域の自然と文化が融合

モーメントファクトリー様が世界中で展開するナイトウォークシリーズは、その土地の文化や自然と幻想的な光や音・最新デジタルアートを融合させる体験型コンテンツです。阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社 ルミナ事業部長 稲垣 利展様は「夜間の観光コンテンツの開発を模索していた際に、ナイトウォークシリーズの存在を知り、ぜひ阿寒湖の森で開催したいと計画がスタートしました」と、振り返られます。そして実現したシリーズ10作目となる『KAMUY LUMINA』のプロジェクションマッピングの主要機器として、当社製レーザープロジェクター5台が導入されました。


導入後の効果

アイヌの伝承文化を最先端のデジタル技術で表現

『KAMUY LUMINA』は、阿寒のアイヌに古くから語り継がれるユーカラ(叙事詩)を題材とし、観客は阿寒湖畔の1.2kmの遊歩道を進みながら、村の守り神のフクロウと、森一番の歌声の持ち主カケスの案内でカムイ(神々)の幻想的な世界へ誘われていきます。「コンテンツの制作にあたって、モーメントファクトリー様との定期的なweb会議に、企画段階から地元のアイヌの方々も参加し意見をいただくなど、アイヌの伝承と映像表現に齟齬が出ないよう綿密に打ち合わせを重ねました」(稲垣様)。モーメントファクトリー様は「ルミナナイトウォークはその土地の美しさを更に高めるためにデザインされているので、まずは我々がその美しさを理解し尊重しないと何も始まりません。今回のプロジェクトについては、機材を最小化しながら体験を最大化する事、常設されるものを全て取り払う事というチャレンジも含まれました。コンクリートの土台や機材を設置するタワーも設置することなく、目線以上の高さの設置物も最小に抑えました。クリエイティブの観点からすると非常に難題ではありましたが、結果的に実現することができました。弊社のビデオマッピングは自然や、舞台美術品・建築物・人工的なものなど、あらゆるものに映像を投写する事ができます。阿寒では木々や茂み、木材で製作された舞台美術品や、一見透明ですが映像を投写するとスクリーンになるメッシュを使用しました」と自然とテクノロジーの融合に工夫を凝らされたそうです。

写真:木製のゲートに映し出されたフクロウが観客に語りかける様子。
ナイトウォークが本格的に始まる起点となるコンテンツ。木製のゲートに映像が鮮やかに投写され、フクロウが観客に語りかける。
写真:入場ゲート前、カムイルミナの森へ進む観客の様子。
ゲートをくぐって森の中へ進む観客。『リズムスティック』を手にこれから始まる物語に期待も高まる。
写真:森の木々や葉に溶け込むように装飾されたプロジェクター。
自然の中に溶け込むように配置されたプロジェクター。
写真:フクロウの前に小さい鳥が現れたのを見守る観客。
暗闇の森の中を進みながら、突如現れる映像に観客は一瞬で物語世界に引き込まれる。
写真:暗闇の森の中、映し出されたフクロウと小鳥のカスケが語りだす様子。
フクロウとカケスのやりとりが軽妙に行われる。
写真:木々に映し出された鹿の映像。
木々にマッピングされた鹿が一斉に走り出す。音響や光の演出も相まって大きな迫力を生み出している。
写真:プロジェクターが木々にマッピング映像を映し出している様子。
プロジェクターが広範囲の森にマッピング映像を映し出す。

コンテンツの魅力を最大限に引き出す映像表現力を評価

『KAMUY LUMINA』はナイトウォークシリーズでも世界で初めて国立公園で実施される作品です。そのため環境省や林野庁とも連携し、自然環境に最大限配慮することが必要でした。「機器を設置する際も倒木の一本も動かさないよう注意を払いました。また、昼間は自然公園の遊歩道として開放されているため、プロジェクターをはじめとする映像音響機器や配線も景観を壊さないよう、公園内の葉や木々でカモフラージュされています」(稲垣様)。観客が物語世界に没入できるよう、プロジェクターはその姿が見えないように巧妙に森の中に配置されています。「全ての野外での常設機材に言えることですが、機器の機能を最大限に発揮するにはいろいろな事前準備が必要です。今回も機材環境をコントロールできるハウジングに機材を格納し、温度や湿度を管理すると共に、弊社のシステム上で機材の状況をモニタリングしています。適切なモニタリングやメンテナンスを実施すれば過酷な野外の環境も屋内における常設のインスタレーションと遜色なく機能します」(モーメントファクトリー様)。導入されたプロジェクターについては、「制作途上ではPCで映像を確認していましたが、実際に森の中で投写された際は、モニターで見ていたイメージと変わらない鮮明さに驚きました。特に金色などの繊細な色彩も忠実に再現されており、映像の魅力が引き出されていると感じました」(稲垣様)と、その映像表現力に高い評価をいただきました。

写真:映し出された動物たちが森の奥へ帰っていく様子。
物語のクライマックスとなるコンテンツ。森へ帰る動物たちの映像が実際の自然と溶け込み、幻想的な雰囲気を生み出している。
写真:木々や茂みに映し出された動物たちを観る多くの観客たちの様子。
森全体が舞台となる圧倒的な世界観。
写真:園内の木々に紛れるよう配置されたプロジェクターが映像を映しだしている様子。
自然の中に溶け込むように配置されたプロジェクター。
写真:昼間も公園内の木々をまとわせ、景観を壊さぬよう配置されたプロジェクターの様子。
景観を壊さないよう、プロジェクターや音響機器は公園内の葉や木々をまといカモフラージュされている。

KUMUY LUMINA マップ

園内マップ:森の入り口より入場し守り神ゾーンに入るとフクロウが危機を救うためにカムイの世界への使者を探す場面に遭遇する。その後使者となったカケスとカムイへの冒険が始まる。木々にマッピングされた逃げ行く鹿に遭遇し、まりもをかたどった光のオブジェクトの点滅からまりものメッセージを受け取った後、森のあらゆる場所からまばゆい光が差し込むカムイの世界へたどり着く。そこから先に進むと森の中を光が駆け巡る警告に遭遇。シーンにより医らが変化し、音楽が流れるゾーンを過ぎると豊かな自然が取り戻されたフクロウの元へ帰る。

光と音の演出で神秘的なアイヌの物語を表現

プロジェクションマッピング以外にも、シノグラフィー(光と音響による演出)によって、神秘的な世界が表現されています。阿寒湖の天然記念物であるマリモによる光のメッセージや、森やボッケ(地下から泥が火山ガスと共に吹き出る泥火山)の奥から差し込む光線やスモークなど、独特の地形や景観を活かした演出で、物語世界への没入感を高めます。また、観客に渡される『リズムスティック』はアイヌが持つ杖をモチーフにしており、ストーリーの中で効果的に活用されています。「形状を杖に模すだけでなく、コンテンツと連動した音声や光を発し、移動中には足元のあかりとなるよう、モーメントファクトリー様から提案を受けました」(稲垣様)。国立公園内の自然遊歩道のため各エリア間には電灯を設置しない方針のもと、その解決策としてだけでなく、物語世界への参加意識をより高めることで、アイヌ文化のフィロソフィーである“自然との共生”をより実感することができます。

写真:阿寒湖の水辺の風景。
国立公園である阿寒湖に面した遊歩道を進みながら物語を体験していく。
写真:マリモのような球体状のオブジェがまばゆく緑色に点滅している様子。
マリモをかたどった光のオブジェが点滅をくり返し、観客へメッセージを送る。
写真:暗闇の森の中を青い線状の光が駆け巡る様子。
森のあらゆる箇所からまばゆい光が差し込み、幻想的なカムイの世界を広げる。
写真:森の中が赤や青、様々な光が駆け巡る様子。
ボッケの森の中を光が駆け巡り、カムイの怒り、警告を表現。
写真:場内で渡される『リズムスティック』を頼りに歩く観客の様子。
シーンにより色が変化したり音楽が流れる『リズムスティック』で物語に参加できる。

youtu.be-IcX60vsWhO8

納入機器

  • 1チップDLP®方式レーザープロジェクター PT-RZ570JW × 1台
  • 1チップDLP®方式レーザープロジェクター PT-RZ870JB × 1台
  • 1チップDLP®方式レーザープロジェクター PT-RZ120JLB × 2台
  • 3チップDLP®方式レーザープロジェクター PT-RZ21KJ × 1台
  • 3チップDLP®プロジェクター用ズームレンズ ET-D3LEW60 × 1台

今後の展望

コンテンツのさらなる向上と発展に期待

阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社様

『KAMUY LUMINA』を体験されたお客様の反応は非常に良く、SNSでもポジティブな感想を多くいただいており、今後も海外のお客様に対しても阿寒湖温泉地区の魅力を発信していきたいと考えています。今後、継続運営をしていくなかでコンテンツのリニューアルはもちろん、インバウンドへの対応をより向上させるため、さらなる工夫を模索しています。『KAMUY LUMINA』以外にもさまざまな観光事業を展開しており、パナソニックの幅広い技術や、メンテナンス・サポート体制で今後もご協力いただきたいと思います。

戦略パートナーとして信頼を寄せる

モーメントファクトリー様

業界のリーダーであるパナソニックとモーメントファクトリーは以前より戦略パートナーとしてお付き合いさせていただいております。パナソニックの手掛ける製品はとても高品質でどの国のマーケットでも手に入るので、世界中でさまざまな体験を提供する我々にとっては非常にありがたいです。

写真:阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社 ルミナ事業部長 稲垣 利展様

阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社
ルミナ事業部長 稲垣 利展様


お客様紹介

国立公園を舞台に“自然との共生”をメッセージとして伝える

手つかずの原生的な大自然を有する『阿寒摩周国立公園』の阿寒湖畔。その雄大な森を舞台に、古くからアイヌに語り継がれてきた物語を、最先端の映像・光・音響技術を駆使し、体験型のコンテンツとして再現。アイヌ文化の根幹である“自然との共生”を気軽に楽しみながら学ぶことができます。

写真:日が暗くなり発着所のゲートの『KAMUY LUMINA』部分が点灯する様子。
観光汽船の発着所が夜になると『KAMUY LUMINA』のスタート地点としてオープンする。

関連機器・サービス

製品写真:PT-RZ12KJ

3チップDLP®方式レーザープロジェクター PT-RZ21KJ

  • 3チップ DLP®プロジェクター 20,000lmモデル
  • 過酷な環境に耐えるフィルターレスデザイン
  • 世界最小最軽量*&高輝度SOLID SHINEレーザープロジェクター

*2019年5月現在。20,000lmクラスのレーザープロジェクターにおいて。


製品写真:PT-RZ120JLB

1チップDLP®方式レーザープロジェクター PT-RZ120JLB

  • 1チップ DLP®プロジェクター 12,000lmモデル
  • 24時間連続稼働に答える安心設計
  • 長時間の運用を支える防塵設計と柔軟な設置性

製品写真:PT-RZ970JB

1チップDLP®方式レーザープロジェクター PT-RZ870JB

  • 1チップ DLP®プロジェクター 8,500lmモデル
  • 24時間連続稼働に答える安心設計
  • 長時間の運用を支える防塵設計と柔軟な設置性

製品写真:PT-RZ570JW

1チップDLP®方式レーザープロジェクター PT-RZ570JW

  • 1チップ DLP®プロジェクター 5,200lmモデル
  • 24時間連続稼働に答える安心設計
  • 長時間の運用を支える防塵設計と柔軟な設置性