東京電力パワーグリッド株式会社様

ウェアラブルカメラ 映像配信システム
工事や点検業務を、高画質な目線映像でリアルタイムに確認。

首都圏全域への送配電事業を担う東京電力パワーグリッド株式会社様は、日本全体の約3分の1もの電力を、安全に確実に暮らしや産業へ供給しています。また技術力の向上と高度な設備構築を日々追求し、一軒あたりの停電回数や停電時間に対して世界トップクラスの安定性を誇っています。近年では、電力自由化の流れにより、託送料金(小売電気事業者や電力会社が、送配電ネットワークを利用するための料金)の低価格化が重要視されており、より一層の業務効率化が必要となっていました。そこで、設備の工事や管理、検査などを行う部門へ642台のウェアラブルカメラ映像配信システムを導入し、従来では複数名で行っていた現場業務をカメラ映像を通して遠隔で確認することで、相互確認や安全確認、操作指示等のための出向回数を削減することができ、生産性の向上を実現しました。

写真:配電箱の中をウェアラブルカメラで撮影しながら確認
配電箱の中をウェアラブルカメラで撮影しながら確認。
写真:カメラ部は約31 gの軽量・コンパクトで作業者の負担なく撮影
カメラ部は約31 gの軽量・コンパクトで作業者の負担なく撮影。
写真:モニタリング側では画面を見ながら地図や記録と照合
モニタリング側では画面を見ながら地図や記録と照合。
写真:電柱の管理番号をカメラで撮影し、支社のパソコンからも映像で確認
電柱の管理番号をカメラで撮影し、支社のパソコンからも映像で確認。
写真:マイクとイヤホンで会話をしながら情報を照合
マイクとイヤホンで会話をしながら情報を照合。
写真:ウェアラブルカメラ本体部とUSBモバイル電源を腰ベルトで携帯
ウェアラブルカメラ本体部とUSBモバイル電源を腰ベルトで携帯。
写真:支社のパソコンからカメラを操作して静止画を撮影。 静止画を拡大して細かい文字や形状を確認
支社のパソコンからカメラを操作して静止画を撮影。 静止画を拡大して細かい文字や形状を確認。

お客様の声

高画質な映像を遅延なく伝送でき、正確性の求められる現場作業にこれなら安心して使えると採用を決めました。

当社は、電気事業法に定められた一般送配電事業者として、託送原価の低減が1つの使命となっています。その一方で、経年設備の増加といった問題にも直面しており、より一層の業務効率化が必要となっていました。そこで、映像伝送システムを活用した能率向上を目指し、新たな設備の導入を検討しました。

ヘルメットに装着して目線の先を撮影できるウェアラブルカメラは、撮影者の負担にならない軽量設計でありながら、対象物の詳細確認が可能な高い画質を有しています。さらに、遅延の少ない安定した映像と音声の伝送が可能で、万が一の緊急時にも途切れを心配することなく安定して運用できると感じたことが、採用の決め手となりました。2018 年1月から一斉に運用を開始し、現在、642台のウェアラブルカメラを約200拠点で活用しています。主に設備の工事や点検業務の現場で使用しており、作業者の目線映像を支社などへ送り、音声の双方向通話とともに確認しています。従来複数名で現場へ赴いていたところを、少人数での作業が可能になるなど、効率的な業務体制をつくることができています。また、固定カメラと違いあらゆる角度から現場映像を得ることができ、1 台のパソコンから多拠点の映像を同時に閲覧できる点も効率化に繋がっています。

さらに、当社では個人の担当分野の業務を行うだけでなく、各々が様々な部門に精通する「多能化」を推進しています。そのために、部門間でのバックアップが必要不可欠となりますが、ウェアラブルカメラの映像を使った遠隔支援により、無駄の少ない充実した研修を行うことができています。

今回の導入ではサーバー利用オプションを含めトータルソリューションとして構築いただいたため、複雑な設定をすることなく誰でも簡単に使えることも大きなポイントとなりました。モバイルルーターとカメラ本体を持って現場に行き、カメラの電源を入れるだけで簡単に使用できるため現場からも好評です。また、モニタリング側のパソコンからズームや画質の制御ができ、カメラ側で何もせずに静止画まで撮影できる点は使いやすさを感じています。操作が難しいと肝心の緊急時に使用できませんので、簡単運用という点は大変重要です。

現在は、主に配電部門や送変電設備部門で活用していますが、今後は活用の幅を広げて、その他部門へも展開ができないかと考えています。ウェアラブルカメラシステムが様々な現場でより一層活躍するのを楽しみにしています。

写真:東京電力パワーグリッド株式会社 取締役副社長 最高情報責任者(CIO)兼IoT担当 兼技術・業務革新推進室長 三野 治紀 様
東京電力パワーグリッド株式会社 取締役副社長
最高情報責任者(CIO)兼IoT担当 兼技術・業務革新推進室長
三野 治紀 様

現場ご担当者様の声

離れた支社から作業者と「同じ目線」で確認ができ、現場作業の安心・安全に繋がりました。

大塚支社では5 台のウェアラブルカメラを運用しており、点検や工事の現場へ出る際は常に携帯するようにしています。従来2 名で行っていた現場作業も、ウェアラブルカメラの導入後はカメラを装着した作業者1名が現場へ向かい、もう1名は支社のパソコンから確認できるため、生産性の向上につながりました。

これまでは電話で支社とやり取りしながら、現場の写真を撮影して送るといった方法で情報共有を行っていましたが、電話では瞬時に情報が得られない点や、写真を送る手間がかかることが課題となっていました。ウェアラブルカメラを使用することで、リアルタイムな映像を音声と同時に入手でき、様々な角度から写された現場情報を得られるため、状況を把握するまでの時間が圧倒的に短くなったと実感しています。

特に、電柱に登る作業の場合は、以前であれば上にいる作業者の動きを下から目視で確認していたところを、今では支社のパソコンから作業者の目線映像を確認できるため、手元で何を行い、どこを見ているかがしっかりと把握できます。もし危険な点があればその場でアドバイスでき、熟練者からの指導を受けることもできます。

現場作業は、市民の皆さまや作業者自身の安全が第一となります。ウェアラブルカメラの鮮明な映像と遅延の少ない音声が、スムーズで安全な業務に大きく貢献しています。

写真:東京電力パワーグリッド株式会社  大塚支社 大塚制御所  配電保守グループ保守リーダー 津久井 英樹 様
東京電力パワーグリッド株式会社  大塚支社
大塚制御所  配電保守グループ保守リーダー
津久井 英樹 様

システム構成( 2か所のカメラ映像を1拠点で制御する場合の例)

システム構成図

主な納入機器・サービス

  • ウェアラブルカメラ AG-WN5K1A1×642 台
  • 接続ライセンス用ハードウェアキー(3ライセンス用) AG-SFU103×213 式
  • サーバー利用オプション×642本
  • パナソニックMVNOモバイルサービス(カメラ用)×642回線
  • パナソニックMVNOモバイルサービス(PC用)×213回線

お客様プロフィール

東京電力パワーグリッド株式会社様は、首都圏1都8県へ高品質な電気を安定的に供給している「一般送配電事業者」です。高い技術力により構築してきた送配電網の建設、保守、運用などのノウハウを活用し、再生可能エネルギーや最先端システム、IT化など、積極的に高度化を進められています。

写真:東京電力パワーグリッド株式会社様 外観