東急テクノシステム株式会社様

踏切映像伝送システム
「異常の様子が見えない」運転士の潜在的な不安を解消すべく、運転台の過酷な環境下でも動作可能なモニター端末を検討。

TOUGHPADの堅牢性と、高いグラフィック性能だからこそ実現。
「運転台の車載モニター」で、安全を次のステージへ。

東急テクノシステム様は、東急グループ企業の一員として、東急電鉄を中心とした電車やバスなどの車両や建物の保守、また列車の運行を支援する様々なシステム開発を主な事業とされています。近年では東急電鉄の各駅でホームドアの設置に取り組まれるなど、常により高い「安全・安心」の実現に貢献されている同社が、今回新たに踏切での異常に備える「踏切映像伝送システム」を開発されるにあたり、TOUGHPAD 7型 FZ-M1をご採用いただきました。このシステムは踏切で異常が感知された際、踏切監視カメラの映像を運転台に設置したTOUGHPADへ自動的に送信するもの。列車停止後、運転士が運転台を離れずに踏切の状況を確認することが可能であり、画期的な安全対策として業界の注目を集めています。

東急テクノシステム株式会社
営業本部 営業統括部 統括課長 石井 秀典 様
東急テクノシステム株式会社
成長戦略推進室 課長補佐 長束 晃一 様
東急テクノシステム株式会社
電設事業本部 信号工事部
保全課 兼成長戦略推進室 松井 淳 様
運転台後方に取り付けたTOUGHPADの様子。通常運行時は「エリア外」表示。
踏切で異常が発生した際、踏切監視カメラの映像をTOUGHPADで受信(画像は実際の踏切監視カメラの映像です)。

導入の背景

「異常の様子が見えない」運転士の潜在的な不安を解消すべく、
運転台の過酷な環境下でも動作可能なモニター端末を検討。

今回、東急テクノシステム様が注目された「踏切異常」は、1年に数回程度しか発生しないものの、列車停止から運転再開までに、運転士の方に大きな負担がかかっていたそうです。
主な原因となっていたのが、「運転台から踏切周辺の状況が見えない」こと。従来であれば、運転士が現場の状況を確認するためには、運転車両を出て踏切へ向かうか、踏切監視カメラの映像を離れた場所でチェックしている運輸司令所から無線連絡を受ける…という2つの方法しかなかったそうです。

「運転台を離れること自体もリスクがありますし、現場へ向かう間にお客様を待たせてしまいます。
一方、無線の場合は口頭での連絡となるため目視より現状把握が難しく、また司令所から運転再開の指示が出ても、運転士には“発車して大丈夫なのか”という不安がどうしてもつきまといます。踏切異常は運転士にとって潜在的な不安要因でした」。
その運転士の方の不安を解消するため、以前から、タブレット端末を運転台に設置し車載モニターとして活用することを構想。しかし、条件を満たすタブレット端末を探すのに苦労されたといいます。
「設置場所となる運転台は、夏は直射日光で高温となり、冬は氷点下まで温度が下がることもあります。もちろん走行中の揺れも精密機器には良くありません。その過酷な環境に耐え、その上、画像処理を行うグラフィックボードも充分なスペックを備えている端末は、TOUGHPAD以外にありませんでした。また運転士が使用するので、手袋をしたままで操作できることもポイントでした」。


導入のポイント

  • 過酷な温度・湿度の変化、衝撃に耐える堅牢性
  • 大容量の画像処理にも強いグラフィック性能
  • パソコンとの接続もスムーズな拡張性

導入のメリット

高度なグラフィック処理能力で、
4画面同時表示や画面切り替えにスムーズに対応。

  1. 安定して映像を表示できるグラフィック性能
  2. 有線モニターに比べ低コスト・簡単設置
  3. PC並みのデータ処理による拡張性

「踏切映像伝送システム」の実用化に向け、東急テクノシステム様では、運行時間外に動作実験を行い、TOUGHPADがモニター端末として充分に活躍できることを確認されました。
「TOUGHPADには専用のアプリケーションをインストールし、最大4台分の踏切監視カメラの映像を同時に表示できるよう設定しています。映像データのサイズは画面サイズ640×480ピクセル、秒間30フレーム程度と決して軽くはありませんが、期待通り表示はスムーズです。
1画面だけを拡大して見る画面切り替え機能も問題なく動作しました。日光の反射などで見づらいという声も今のところありませんし、モニターとしてしっかりと機能することが確認できました」。

このような結果を受け、東急テクノシステム様では2015年10月から東急池上線の蒲田駅~五反田駅間を走る車両にTOUGHPADを実装し、運行中の実証実験を行われています。実験区間に選ばれた蒲田~五反田駅間は東急電鉄沿線の中でも最も電波状況が悪いと考えられるエリアですが、走行中の列車内に設置したTOUGHPADで映像を受信できることも確認。
今後、東急電鉄の各路線で踏切映像伝送システムを実用化することはもちろん、他の鉄道各社への導入を目指されています。

「いま日本の鉄道業界には、2020年に向けてさらに安全・安定性を高めることが求められています。しかしその一方で、少子化などの影響により乗務員の人員増が難しい状況にあり、運転士のみで運行するワンマン運行も今後は増えていくでしょう。その中で、運転台を離れずに状況確認ができるこのシステムは、いかに効率良く安全・安定性を高めるかという業界の課題に対して、有効な解決策になると考えています。またお客様へ状況を説明するまでのタイムラグも少なくできますから、サービス面での質の向上も図ることが可能です」。
また実用化に向けたメリットとして、コストが他の安全対策と比べて安価で簡単に取り付けられることを挙げられました。

「有線モニターを設置する場合、配線などを新たに整備する必要があり、費用が高くなるだけでなく車両の構造上難しいケースも考えられます。TOUGHPADは低コストかつ簡易に取り付けられるので、列車の本数が多い都市部をはじめ、予算が潤沢ではない地方鉄道のニーズにも応えられると考えています」。

踏切映像伝送システムイメージ図

TOUGHPADを活用したこれからの展望

駅ホームのカメラとの連動や、運行状況の確認など鉄道サービスの向上に貢献。

東急テクノシステム様は、2015年に開催された鉄道技術展で「踏切映像伝送システム」を出展。その際、ブースに人だかりができるほど、鉄道業界をはじめとした関係者の方が説明を聞きに来られ、今後の普及へ向け手応えを感じられたそうです。
「タブレット端末を車載モニターとして使うという発想は、当社が知る限りこれまでにないものですから、興味を持っていただけたのだと思います」。

また運転士の方からは、実用化前にもかかわらず、TOUGHPADを使って「駅ホームの映像などその他の場所についても映像が見たい」「インターネットに接続してリアルタイムで他の車両や路線の運行状況を確認したい」など、すでに多くの追加要望が寄せられています。
東急テクノシステム様ではそれらに加え、駅の職員が持つモバイル端末との連動など、様々な角度からシステムの拡張を検討されています。

「今回の試みで、運転士が職務中に多くの情報を必要としていることを改めて実感しました。
元々、TOUGHPADは踏切の状況確認以外の用途へ活用することも視野に入れていましたから、今後は東急電鉄をはじめ鉄道各社からヒアリングを実施し、各社のニーズに応えられるようカスタマイズ対応にも平行して力を入れていきます。

今回採用したFZ-M1はWindowsベースでシステム開発がしやすく、拡張性に優れていますから、TOUGHPADを活用して、今後さらに日本の鉄道サービスの向上に貢献するシステムをご提供できると確信しています」。

下写真:TOUGHPADを運転台に取り付けるために増設する機器は、主にこの2つだけでOK。
左)運転台にTOUGHPADとともに設置する車載機(映像受信機)
右)TOUGHPADへ踏切監視カメラの映像を送信するためのWifiアンテナ


導入機種