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コラム 2015.11.24
急拡大するコールドデータのアーカイブ市場、HDD、LTOに続く第三のメディアとして注目を集める光ディスクの潜在力

光ディスクデータアーカイブシステム freeze-ray®

10月28日から30日の3日間にわたって、幕張メッセで「第4回 ビッグデータ活用展 秋」が開催された。ビッグデータの生成から蓄積・分析・活用、破棄に至る「データマネジメント」に関わるあらゆる製品・サービスが一堂に会した専門展だ。パナソニックは、ITサービスを提供するブロードバンドタワーのブースの一画で、光ディスクを利用したデータアーカイバー製品「LB-DH8シリーズ」を展示。プレゼンテーションを担当したパナソニック AVCネットワークス社 ストレージ事業部 営業部 プロモーション部 主幹 稲田善一郎 氏と、パートナーであるダイナミックイノベーション株式会社 小林博司 氏に、光ディスクのアーカイブメディアとしての可能性について話を聞いた。


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パナソニック株式会社 AVCネットワークス社
ストレージ事業部 営業部 プロモーション部 主幹
稲田 善一郎 氏

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ダイナミックイノベーション株式会社
ビジネスデベロップメントマネージャー
小林 博司 氏


爆発的に増加するデータと長期保存への対応を迫られる企業

あらゆるモノにセンサーが組み込まれ、インターネットにつながるIoT時代。膨大なデータが生成され、世界はデータであふれることになる。
EMCの調査(http://japan.emc.com/about/news/press/japan/2014/20140410-1.htm) によれば、2013年に4兆4,000億GBであった世界のデータは、2020年には10倍の44兆GBに拡大すると予想されている。
ただし、生成されるデータの約半分はアーカイブデータ、つまり、長期の保存が必要とされるデータだと考えられている。その背景について、パナソニック AVCネットワークス社 ストレージ事業部 営業部 プロモーション部 主幹 稲田氏は、次のように説明する。

「大きな要因は社会的な要請です。今後、企業や官公庁のデータ、あるいは文化遺産的なデータも含め、その公益性からますます長期保存が求められます。さらに、最近のTPPの動向、セキュリティやテロ対策などの動きを考えても、データの長期保管は、確実に義務化の方向に進んでいくと考えられます」(稲田氏)

もちろん、データのアーカイブには、従来のようにハードディスク(HDD)やテープ(LTO:Linear Tape-Open)を使うこともできる。ただし、今後はHDDやLTOでは対応しきれないケースも増えていくだろう、と稲田氏は説明する。

「HDDはデータの長期保存には不向きです。故障の可能性が高く、電気代等の維持費用もかかるからです。LTOも20年、30年の保存には耐えられません。このため、定期的なデータ移行が必要ですが、その作業は予想以上に面倒です。また、実際に移行してみたら、データロスが発生していたというケースも聞きます。今後は、膨大なデータをアーカイブするのに加え、データを確実に取り出せることが求められます。こうした時代の要請に対し、従来型の保存媒体だけでは不十分だと我々は考えています」(稲田氏)

時間の経過とともに使用頻度は低くなるが、長期保存を必要とされるデータのことを「コールドデータ」と呼ぶが、いま、コールドデータのアーカイブ用として注目を集めているのが「光ディスク」だ。


保存期間50年、電源不要でコールドデータのアーカイブに最適な光ディスク


2014年3月、パナソニックとソニーは、業務用の次世代光ディスク規格「アーカイバル・ディスク(Archival Disc)」を策定し、共同で開発することを発表した。来年度には、1枚あたり300 GBの記憶容量を持つアーカイバル・ディスクの量産が始まる予定だ。将来的には、500 GB、1 TBのディスクも計画されている。
「アーカイバル・ディスク」は従来の「Blu-rayディスク」を産業用に進化させた光ディスクの規格だ。光ディスクの最大の特長は、保存期間が50年間以上と、HDDやLTOと比べて圧倒的に長寿命であることだ。このため、コールドデータ保存の取り組みで先行する海外で、いま注目を集めている。

「2011年4月、Facebook社の提唱により、Open Compute Project(OCP)というコミュニティが発足しました。これは、高効率で低コストの次世代型データセンターをオープンソースで作っていこうとする取り組みで、現在、150社以上の企業が参加しています。OCPでは、コールドデータのストレージ最適化にも積極的に取り組んでいますが、最適なメディアとして採用を検討されているのが光ディスクなのです」(稲田氏)

企業向けのスケールアウトストレージで有名なアイシロン製品の販売に長年携わってきたダイナミックイノベーション株式会社 ビジネスデベロップメントマネージャー 小林博司 氏も、光ディスクの可能性について次のように語る。

「今後、IoTの時代を迎えるにあたって、最も成長する市場がコールドデータのストレージ分野だと確信しています。HDD、LTOも引き続き活用されますが、50年という保存期間の長さと扱いの簡便さを考えると、光ディスクが第三のメディアとして注目されるのは間違いありません。今後、企業は保存するデータの種類に応じて、HDD、LTO、光ディスクを使い分けることになると思います」(小林氏)

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最大で216 MB/sの書き込み速度、638.4 TBの大容量を実現した
パナソニックの光ディスク・アーカイブシステム

パナソニックが開発したデータアーカイバー LB-DH8シリーズは、こうしたコールドデータのアーカイブニーズに対応するために開発された製品だ。12枚の光ディスクを1つにまとめた「データアーカイバーマガジン」を1つの単位とし、12枚のディスクにデータを同時に分散して記録することで、最大で216 MB/sの書き込み速度を実現している。
データアーカイバーマガジンは、1本あたり1.2 TBのデータ保存が可能で、これを76本まで装着できるベースモジュールと拡張モジュールにより、1モジュールあたり最大91.2 TBまで保存可能だ。さらに、1ラックには最大7台までモジュールを搭載できるので、1ラックあたり最大638.4 TBの大容量を実現している。


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なお、現時点では、利用されているメディアは100 GBのアーカイブ用追記型Blu-rayディスクだが、300 GBのアーカイバル・ディスクが量産体制に入れば、現在の3倍の容量を保存可能になる。さらに500 GB、1TBのアーカイバル・ディスクが開発されれば、5倍、10倍の容量にも対応可能だ。
データの書き込み・読み出しを制御する管理用には、Windows/Linux対応のソフトウェアが搭載される。さらに特筆すべきは、SIerに対する専用アプリケーション等の開発支援方針を明確に打ち出していることだ。稲田氏は、その意図を次のように説明する。


「弊社は企業向けITシステムの領域に参入したばかりでもあり、今回、ブースをお借りしているブロードバンドタワー様を始め、既存のSIer様とのパートナーシップをとても重視しています。データアーカイブの考え方は業界や企業によって異なりますので、こうした業界の事情や考え方に精通しているSIer様と連携しながら、データアーカイバー製品をシステムに組み込んだ形でご提案していきたいと考えています」(稲田氏)

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もはや「とりあえず保管」ではすまされない時代、
今こそコールドデータのストレージを真剣に考えるとき

データアーカイバー LB-DH8シリーズは、膨大な観測データの記録が必要な国内の研究組織、海外の金融機関などですでに導入が検討されている。今後、コールドデータのアーカイブニーズの高まりとともに、本製品への注目度はさらに高まっていくだろう。ただし、アーカイブメディアとしての光ディスクの認知度はまだまだ低いと、小林氏は次のように強調する。

「HDDの低価格が進んだおかげで、とりあえずデータをHDDに保存しておこうと考える企業は少なくありません。しかし、HDDは電気代がかかるうえに、寿命はけっして長くはありません。このため、いま、改めてLTOへのデータ移行を検討している企業が多いのです。しかし、本当にLTOが最適なのでしょうか。現実には、光ディスクの方が適しているケースも多いのです。ぜひ、アーカイブメディアとしての光ディスクに注目していただきたいと思います」(小林氏)

また、パナソニックの稲田氏も、「いまこそ、コールドデータのストレージを真剣に考えるとき」と次のように語る。

「もはや、とりあえずバックアップし、テープに保存しておけば何とかなる時代ではありません。今後は、法律的にもデータを確実に残すことが求められます。とりあえず保管したけれど、取り出してみたらデータが破損していた、ではすまされないのです。いまはちょうど、アーカイブの考え方が変わろうとする時代の転換点にきていると思います」(稲田氏)

 IoT時代、コールドデータのアーカイブはすべての企業の課題になるだろう。「HDDやLTOがあるから問題ない」と考えていたら、思わぬ落とし穴にはまる可能性が高い。ぜひ、第三のメディアとしての光ディスク、そしてパナソニックのデータアーカイバー製品に注目していただければと思う。


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