これまで/2010年~:生産基板の多様化・多品種化の加速
新興経済国を中心とした市場成長にともなう市場環境の変化により、全世界的に消費者ニーズ、嗜好の多様化がおこりました。電子機器モノづくりに対しては、生産性向上、コストダウン、品質の維持向上が求められ、お客様の現場では、実装技術や基板の変化のみならず、実装ボリュームや基板表裏の実装点数ギャップの変動、チップ部品と異形部品の部品構成の変化が発生し、生産基板の多様化、多品種化が広まっていきました。
これまで/2010年~:パナソニックがSMTモノ作りに提案してきたこと
生産基板の多様化、多品種化に対し、当時の主力モデルであったCM602でモジュラーコンセプトを業界へ提案。面積生産性の追及やトレーサビリティへの対応力進化を通じ、PC業界、自動車業界のお客様で高い評価を頂くことができました。さらには、急激に伸張を始めたスマートフォン生産などの環境変化へ対応すべく、デュアルレーンマルチプロダクション、インラインプロセスを新コンセプトとするNPMシリーズをリリースし、進化することで、市場要求に応えてきました。
NPMシリーズの提供価値
ロケーションフリー&プラグアンドプレイ
お客様の現場で、ヘッド、フィーダー、供給部を自由に組み換えることができます。
基板・部品の変化に柔軟に対応し、最適なライン構築を実現します。
デュアルレーン マルチプロダクション
高速生産から多品種少量生産まで、さまざまな生産形態に合わせた運用を選択可能です。
前後異機種同時生産で中間在庫を削減します。
交互実装モード
多品種少量生産
フィーダー数量削減
基盤搬送ロス ゼロ
独立実装モード
高速大量生産
生産性最大化
独立機種切り替え
Mix.実装モード
高効率生産
微小チップ 独立実装
異形部品 交互実装
デュアルレーン Top/Bot 汎用ライン化
異機種同時生産において、Top面/Bot面で部品点数のアンバランスが生じる場合に対し、Mix.実装モードにより最適なラインバランスを実現します。
Mix.実装モード Top/Bot 汎用ライン
インラインプロセス:プロセスヘッド搭載
NPMシリーズはプロセスヘッド搭載が可能であり、インライン塗布・検査により、リフローの前工程で品質の作り込みをおこない、高品質実装を実現します。
塗布ヘッド
- 重要部品への接合補強用接着剤塗布
- コーナー接着剤工法(描画機能)
- はんだ塗布
2D検査ヘッド
- 印刷はんだ検査(位置ずれ・にじみ・カスレ)
- リフロー前AOI(位置ずれ・欠品・IC極性)
- シールドケース実装前検査
SPV:NPMシリーズの価値を最大化する印刷機
高速の印刷サイクルタイムとさまざまなレイアウトに対応するトランスフォーメーション機能により、NPMシリーズのデュアルレーンマルチプロダクションの特長を最大化します。
- 搬送、認識、毎回クリーニング含め印刷サイクルタイム10秒
- 基板振り分け機能により生産形態にマッチした印刷工程を実現
- M2Mラインソリューション
基板振り分け機能
お客様の生産形態にマッチした印刷工程を構築できます。
複数機種同時生産による生産リードタイム短縮・仕掛在庫レス
NPMのベストミックス生産との組み合わせにより、メイン基板のTop/Bot面とサブ基板を同時生産可能です。これにより生産リードタイム短縮・仕掛在庫レスを実現します。
SPV-DC:「デュアルレーン」「高効率生産」をコンパクトに実現
フロント/リアが完全に独立したデュアルレーンに構造。片側ステージ生産中の次機種段取りにより、機種切り替え時間ゼロを実現します。
- 搬送、認識、毎回クリーニング含め印刷サイクルタイム13秒※
※デュアルレーン運用時6.5秒 - O.E.E最大化を実現する最適な機能を提供
- 当社マウンターとのラインソリューションで、トータル品質向上を実現
コンパクトデュアル
前後独立なデュアルレーン生産をコンパクトに実現し、お客様の生産形態にマッチした生産ラインを提供します。
高速生産
同一機種を前後の印刷ステージで印刷することにより、高速生産ラインへの対応が可能です。
前後ステージより基板を供給しライン稼働率が向上します。
ノンストップ機種切り替え
片側ステージ生産中の次機種段取りが可能で機種切り替え時間ゼロを実現いたします。
これから:市場の変化に感応した生産計画への対応
近年の環境変化により、電子機器モノ作りのスマートファクトリー化へのニーズが急速に高まっています。
パナソニックは、市場の変化にともなうモノ作り現場への要求に対し、 正確な生産計画立案と最適なモノ作りを指示をする「Cyber Solution」と、計画通りのモノ作りを実現するためにO.E.Eを最大化する「Physical Solution」で、マス・カスタマイゼーションと生産性向上を実現します。
計画通りのモノ作りを実現するO.E.Eを最大化するアプローチ
パナソニックのPhysical Solutionでは、4つの切り口から解決策を提案します。
M2Mでラインの自律性を高める経営効果
実装品質の作りこむためには、「5M+1E」の管理が重要ですが、実際の現場では、これらの管理を人がおこなっています。人の経験、スキル、勘を頼りにすると、品質のバラツキが大きくなります。
計画通りのモノ作りを実現するためには、人に依存しない実装品質を作りこむ仕組み構築が必要です。パナソニックは、M2M 設備間通信を活用する「APCシステム」提案によって、実装ラインの情報管理の自働化、実装品質の作りこみの自働化を可能とし、品質の向上と安定、オペレーターの作業・スキル負荷の低減、実行スループットの向上と安定を実現します。
他社検査機と6つのシーンでM2M APC system & 情報通信
APCシステムは、人・設備・材料・工法の変化で生じる変動を、SPI、AOIの計測結果を元に印刷機、実装機へ位置補正情報を送信し、実装ラインが自動補正することで実装品質の向上を実現いたします。
パナソニックAPC systemは他社SPI / AOIともM2Mが可能
パナソニックは他の検査機メーカーとアライアンスを結び、他社製SPI/AOIの検査情報をもとにAPC systemを良品生産へご活用いただけます※。
※AOIからのAPC-MFBについては、対応可能メーカーが限定されますので、パナソニックへお問い合わせください
アライアンス提携検査機メーカー
メンテナンスでアベイラビリティ(可用性)を高める
アベイラビリティ(可用性)とは、設備だけではなく生産に必要なアイテムがパフォーマンスを発揮できる状態にあることを意味します。アベイラビリティが不十分な場合、生産計画通りにモノづくりがおこなえません。生産計画では、実装ラインが『生産できること、使えること』が期待されているため、これを実現するためには、「故障修理」 ではなく、「メンテナンス(保守)」が求められます。
メンテナンス(保守)には、運用ルールを定めて作業を標準化し、ルーティン作業としておこなう定期メンテナンス(カレンダー管理)と、常に稼働状況を監視し、“変化”を検知トラブル前に処置、回復・維持する予兆メンテナンス(動的管理)があります。これらを実行するためには、メンテナンスタイミング・工数が読めて生産計画へ織り込めること、装着ヘッド・ノズル・フィーダー個々の状況が掴めていること、メンテナンスの効果が均一(期待通り)であることが必要です。かつ、メンテナンスマンの高いスキル(教育と経験)に依存することが課題となります。
お客様でアベイラビリティを高める
装着ヘッドメンテナンス
設備が有する自己診断機能を活用し、自動で装着ヘッドのメンテナンスタイミングを検出します。また、メンテナンスユニットを用いてスキルレスで装着ヘッドの状態維持が可能です。
フィーダーメンテナンス
作業者のスキルに依存することなく、フィーダーの性能検査とキャリブレーションを自動で行います。また、PanaCIMメンテナンスモジュールと組み合わせることにより、生産へ不良フィーダーの混入を自動的に防止することができます。
メーカーサービスを活用してアベイラビリティを高める
適切なメンテナンスを行わなければ、設備性能・品質は使用期間とともに低下していきます。
パナソニックは、「設備性能の改善」「予知予防保全の提案」「お客様現場の課題診断」の3つのソリューションによって、O&Mの観点から総合的にOEE最大化に貢献します。
※O&M:オペレーション&メンテナンスの略称
自動化・省人化の進め方
大きくラインとフロアに分けます。ラインは、オペレーター作業を“自動化”することを基本とし、自動化できない作業を製造事務所からの“リモート”機能で集中管理により遠隔で操作し、現場オペレーターの作業を削減します。さらに部品供給作業など現時点で“自動化” “リモート化”できない作業に関しては、フロアを対象としたナビゲーション機能により省人化を実現します。
実装フロアの省人化効果予測
自動化・省人化機能の最大活用により、最大50%以上の省人化を実現します。
NPM省人化取り組み効果予測(作業割合%)
自動化:吸着エラー自動復旧・吸着エラー部品再吸着(リトライ)
リモート操作
人の判断のみで復旧できるエラーに対し、リモート操作による復旧が可能です。これにより、フロアの集中監視が可能となり、 オペレーターの気付き・移動時間ロスを無くすと同時にエラー復旧時間を短縮し、省人化と稼働率向上を同時に実現します。
ナビゲーション
効率的な段取り手順をナビゲートする段取り支援ツールです。段取り作業時間を考慮した生産時間の見積もりおよびオペレーターへの段取り作業指示を行います。これにより、ラインの段取り作業時間の見える化、効率化を実現します。
効率的な部品供給順序をナビゲートする部品供給支援ツールです。部品切れまでの時間・ムダの少ない移動経路を考慮し、オペレーターへの部品供給指示を行います。これにより、部品供給の効率化を実現します。
O.E.E.を最大化する改善機能マップ
稼働ロス・性能ロス・品質ロスの各テーマにおいて改善機能を提案します。