写真:医療用デモ人形を使用し学習しているている授業風景。
写真:医療用デモ人形を使用し学習しているている授業風景。

学校法人 高知学園 高知リハビリテーション専門職大学様

多視点3D解剖教育システム「MeAV Anatomie 3D」
実写による多層解剖映像を3Dで再現して、より実践的で高度な学びを実現。

課題

医療の現場で即戦力となる人材育成のために、学生の理解をより深める授業を行いたいと考えた。

解決策

臨床技能総合学習室に実写解剖映像を立体的に見られる多視点3D解剖教育システムを設置し、実物の臓器構造を確認しながらの授業を実現。 2020年2月にコンテンツ3種類を追加すると同時に固定3Dモニターに加えて、 3Dプロジェクターを導入し、広い講義室などでの映写使用も可能にした。

呼吸もする医療用デモ人形を使い、脈拍や心電図の異常を臓器の実解剖映像と照らし合わせながら、理解をより深める授業が可能になりました。紙の教科書では得られなかった効果があります。

学校法人 高知学園
高知リハビリテーション専門職大学
理学療法学専攻 准教授
片山 訓博先生

背景

座学での学びを高度な臨床技能に結びつけるために

高齢化社会の加速に伴い、ケアを必要とする方が増える中、医療の現場に応えるリハビリテーションのニーズが高まっています。「医療が高度化すれば、私たちの仕事も高度化する必要があります。特に実践力を伴った理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の育成が求められており、こうした要請に応えることは本学の使命だと考えています」(教務部長 濱田和範先生)。その一環として「多視点3D解剖教育システム」を導入され、臨床技能の向上に役立てられています。


導入した理由

3D実写映像なら教科書で教えることの限界を超えられる!

多視点3D解剖教育システムの導入にあたり、実際に使う立場から片山先生にお話しいただきました。「従来は臓器や筋肉などの立体的位置関係を教える時に解剖学図譜を見ていましたが、紙面に書かれているため立体構造を把握することが難しかった。このシステムを使えば、ご献体の実写による解剖映像を通して質感を正しく理解し、表層から組織の奥までの層構造も、さまざまな角度から立体的に把握できます。この学びは、的確な判断能力が求められる医療の現場で役立つと実感しました」。


導入後の効果

実際の症例と併せて3Dによる解剖映像を活用

当システムを、病室同等の最新設備を持つ臨床技能総合実習室に設置してご活用。学生は3Dメガネを装着して実写映像を確認しながら理解を深め、技能を習得できます。「例えば、冠動脈の詰まりによる心筋梗塞の説明を、デモ人形と心電図、3D映像を使って行います。教科書で得た二次元のイメージを、学生は鮮明に掴むことができるようになりました。加えて、当初はモニターで見ていましたが、プロジェクターも導入して大きな映像で見られますし、可搬性もあるので大講義室でも小さなゼミの教室でも活用できます」(片山先生)。「授業はもちろんのこと、医療を目指す学生の募集やオープンキャンパスにも利用しています。本学の教育の目玉になると感じています」(濱田先生)。

教科書ではわからない構造がリアルに学べる

3D映像による授業を受けた感想を学生さんに訊いてみました。「深層はどうなっているのか、表層から剥がして見ていけるのでイメージがつきやすかったです」、「医療に従事しながら卒後研究でここに来ています。見たいところをピンポイントでクローズアップできるので、とても勉強になります」。地域の人を専門技能でサポートしていこうという皆さんの取り組み姿勢が印象的でした。

写真:壁に映し出した3D実写映像を確認しながら授業している様子。
呼吸音や心音の聴診、心電図などのバイタルサインをシミュレータで学習し、症状の発生している部位を3D実写映像で確かめながら授業を進める。
写真:医療用台車にセッティングされた多視点3D解剖教育システ ムとプロジェクター
多視点3D解剖教育システムとプロジェクターを医療用台車にセットすることで、さまざまな教室へ運べて利便性も高めた。
写真:女性が男性の肘の内側に超音波エコー機を当て、壁に映し出された解剖映像を確認している様子。
肘の内側靭帯を超音波エコーで検査しながら、肘関節を構成する骨格と筋肉を解剖映像で確認しているところ。
写真:3Dメガネを装着した生徒たちが壁に映された映像を確認し、先生の説明を聞いている様子。
映し出された映像を、3Dメガネを装着して見ると、部位の位置関係や表層から深層への奥行き がつぶさにわかる。

納入機器

  • 多視点3D解剖教育システム「MeAV Anatomie 3D」スタンドアローン型パッケージ × 1台
  • コンテンツ×12種(顔面・下顎・側頸部-1、胸郭、心臓、肩、腋窩、股関節、膝関節、上腹部(肝胆膵)、腹壁・臀部・大腿、脳動脈、脳解剖脳底アプローチ、脳解剖上方アプローチ)
  • 3Dディスプレイ × 1台
  • 3Dプロジェクター × 1台
  • 3Dメガネ × 10個

今後の展望

進化するシステムや機器が変わらぬ使命を支えてくれる

「まだ不定期な活用だった多視点3D解剖教育システムを、解剖学の授業にきちんと組み込んでいくことと、学生の自主学習でも利用できるようにしたい。今後は教育もAIやIoT導入に移行していくでしょうから、真のプロフェッショナルを育成するために、積極的に時流も掴んでいこうと思います」(濱田先生)。


お客様紹介

人を想う心の上に確かな技能が実る

前身校から50年の伝統を持つ高知リハビリテーション専門職大学様。大切にしてきたことは、人としての、職業人としての基本であると濱田先生は強調します。「リハビリテーションは命を対象とする究極の対人サービスです。至誠心があって患者さんと良い関係が結べ、良い治療につながります」。

人物写真:学校法人 高知学園 高知リハビリテーション専門職大学 副学部長 教務部長 准教授 濱田 和範 先生
学校法人 高知学園
高知リハビリテーション専門職大学
副学部長 教務部長 准教授
濱田 和範先生
学校法人人物写真: 高知学園 高知リハビリテーション専門職大学 理学療法学専攻 准教授 片山 訓博 先生
学校法人 高知学園
高知リハビリテーション専門職大学
理学療法学専攻 准教授
片山 訓博先生
写真:高知 リハビリテーション 専門職大学 外観
2019年に日本初の専門職大学として開学し、専門学校と併設される。
URL: https://kpur.ac.jp/index.htm

関連機器・サービス

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多視点3D解剖教育システム「MeAV Anatomie 3D」スタンドアローン型パッケージ

一部位あたり十数万枚にもおよぶ実写3D解剖映像の中から、学習者が見たい方向、見たい深度を選んで、解剖を学ぶことができます。

  • 多層解剖:体表から体内までを段階的に解剖
  • 多視点3D撮影:多層解剖の進行とともに、各層を囲む球面上の多視点から3D立体撮影
  • インタラクティブ3D表示:視点変更、解剖深度切り替え、拡大縮小