独立行政法人国立科学博物館様
課題
国内外の来館者が自分のモバイル端末で手軽に無料で展示説明や館内の混雑状況を見られるようにしたいが展示室内にWi-Fi設備が無い。
解決策
多言語展示解説支援システムを導入、多くの来館者が同時に閲覧できる業務用Wi-Fi設備を導入。
国内外からの来館者の方が、自分のモバイル端末で手軽に簡単に目の前にある展示物の解説や館内案内・混雑状況などを閲覧できれば大変便利です。
背景
来館者のモバイル端末で手軽に展示説明を閲覧できるようにしたい
日本をはじめ各国からの来館者向けに、サインや展示ポスター、デジタルサイネージでイベント情報やフロアガイドの紹介、展示物前のKIOSK端末による展示解説を行ってきた国立科学博物館様。現状のサイネージやKIOSK端末では一度に閲覧できる人数も限られ、より多くの来館者が自分のモバイル端末で手軽に簡単に無料で展示の説明や館内の混雑状況を見られるようにしたい、と考えておられました。また、そうしたサービスの導入にあたり、館内にはWi-Fi設備が無く、新設する必要がありました。
導入理由
長年にわたる信頼感と、来館者にも運営側にもうれしい提案
「業者の選定は競争入札で決まりました。パナソニックさんとは長いお付き合いで、展示解説システム(KIOSK端末)やサイネージシステムのコンテンツも一緒にイチから作ってきました。とても信頼できる企業です。1つお願いすれば、関連システムすべてに反映してくれる運用対応力には、とても助かっています。今回のWi-Fiを活用したBYODサービスも、ご来館のお客様が手軽に無料で楽しめると同時に、運営側である私たちのハードウェアのメンテナンス負担やシステム更新コストにも配慮したご提案をいただきました」(事業推進部 鳥谷様)。
導入後の効果
ご来館のお客様に注目していただいている実感がある
多言語展示解説支援システム「かはく HANDY GUIDE」は、自分のスマートフォンなどのモバイル端末を使って、館内で目の前の展示物の解説などを無料で閲覧できるオリジナル情報提供サービスです。来館者は入口付近でWi-Fiに接続後、QRコードを読み込むだけで簡単に展示解説画面が起動し、おすすめコースや施設混雑状況などを閲覧できます。「リリースの2020年8月4日以降、『かはく HANDY GUIDE』ポスターの前で立ち止まっているお客様をよく拝見します。ご案内チラシの減り具合も想定より多い感じで、お客様への周知は成功しているのではないかと思っています」(事業推進部 鳥谷 様)
館内の混雑状況がリアルタイムでわかるようになった
「新しい機能として、特別展やシアター36○、レストランなどの混雑状況がモバイル端末からリアルタイムでわかるようになっています。今はコロナ禍で一部の展示やサービスを休止していますが、コロナ終息後にはお客様に大いにご活用いただけるのではないかと思っています」(事業推進部 鈴木 様)
コロナ禍での感染予防ツールとしても好評
「感染拡大防止のために休館していましたが、再開館のめどが立った時に、指でタッチして解説を見聞きするKIOSK端末は使用が難しいという話になりました。不特定多数の方に有料で貸出す『かはくナビ』や『音声ガイド』も同様です。そこで来館者のモバイル端末で解説が見られるなら、と『かはくHANDY GUIDE』の運用が急務となりました。運用開始の準備は続けていましたが、リリースまで時間がタイトで4か国語の多言語対応でのコンテンツの最終確認やお知らせページ等の内容の準備は大変でした。周囲からは“この時のために制作したシステムだろう!”と期待の声も多く、パナソニックさんのサポートもあり、無事に運用を開始することができました。お客様からも“こんな展示解説の仕方を待ってました!”とのお声を数多くいただいています」(事業推進部 鳥谷 様)
主な納入システム
- WEBコンテンツ一式(4言語):×908点
- WEBコンテンツ閲覧設備
- 地球館/日本館設備
- PoEスイッチ:PN28059K
- 1000BASE-SX SFP
- Module:PN54021K
- Wi-Fi基地局:EA-7HW03AP1W
- センター設備
- センターコアスイッチ:PN36243E
- 1000BASE-SX SFP Module:PN54021K
- ネットワーク管理サーバー:DL360
- UPS:J2R05A
- ネットワークモジュール:AF465A
お客様の声
お客様が使いやすく、運営側の管理負担軽減も図ったシステム
自分のモバイル端末で施設の情報を閲覧できるというのは、今の時代には必須のサービスではないかと思います。外国からの来館者の方にも自分のモバイル端末を使って簡単に展示解説や館内案内を見ることができれば大変便利です。同時に、私たち運営側も「かはくナビ」や「音声ガイド」など有料貸出用のハードウェアを管理することになりますので、システムの更新やハードウェアのメンテナンスにも大きな手間やコストがかかってしまいます。そのあたりをうまく改善してくれたのがパナソニックのご提案でした。もともとはインバウンドのお客様向けも視野に入れてスタートした企画ですが、“こういった情勢なので自分の端末で解説を楽しめるのはうれしい“というお客様の声をいただいています。(事業推進部 鳥谷 様)
今後の展望
国立科学博物館ならではの情報提供を追求していきたい
将来的には音声システムや展示1点1点のきめ細かな解説、検索機能など、“あったらいいな”と思うものはいろいろあります。せっかく大勢の方が同時に利用できるWi-Fi設備を各所に設置しましたのでこれを活用して、「かはくHANDY GUIDE」とデジタルサイネージを連動させた新しい情報提供を行うなど、“国立科学博物館ならでは”のスタイルを追求していきたいので、今後パナソニックさんのさまざまなご提案をお待ちしています。(事業推進部 鳥谷 様)
お客様紹介
人々が地球や生命、科学技術の認識を深めることに貢献
創立は1877(明治10)年。日本で最も歴史ある博物館の一つで、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館です。常設展示は、地球生命史と人類の知恵の歴史を紐解く地球館と、日本列島の自然と生い立ち、日本人の形成過程や自然とのかかわりなどを解き明かす日本館の2館。人々が地球や生命、科学技術の認識を深めることに貢献しています。